アーティスト電力
【需要家訪問レポート】いとうせいこうさんの電気の供給先
2021年4月15日にはじまったアーティスト電力。その発案者であり第一弾アーティストであるいとうせいこうさんの電気は、福島県二本松市の、とある場所に設置されたソーラーパネルによって今日もつくられ、「せいこうさんの電気を使って生活したい!」というユーザーさまのお宅へと届けられている。
いとうせいこう発電所ユーザーには個人のお客さまが多い中、法人のお客さまもいる。小田急の、最終的には江ノ島線で新宿から小一時間、桜ヶ丘駅が最寄りの「薬樹ウィル」が、せいこうさんも「ここで使われているのは嬉しいね」と喜ぶ法人ユーザーだ。
薬樹ウィルの母体となる「薬樹薬局」は、東京を中心に1都5県、約150店舗展開しているので、お馴染みな方も多いかもしれない。薬樹ウィルは、それら薬局で使われた白衣の、クリーニングを担当する会社であり、そこでは障害を持つ方々が雇用され、日々作業に勤しんでいる。
同社は、将来的に企業の障害者雇用が法的にデフォルト化されていくことを見越し、その促進ビジネスを模索しているダイバーシティ先端企業でもあるのだ。
アーティスト電力では薬樹ウィルさんを視察させていただき、その明るい職場の雰囲気を浴びてきた。ここのチームリーダー/ジョブコーチは、着ていたジャケットの背中、首もとに「No Diversity, No Life」の文字が光る長沢(健司)さん。お話を伺うと「特に私の場合は、障害に関する知識がないところからの雇用だったので、逆に皆さんから教わることが多いです」とのお答え。私たちも当日、実際職員の方に白衣のピシッとしたたたみ方を教えていただいた。しかし、教わることはそういった技術的なことだけではない、何か言葉を超えた大切なことであることを感じた。
薬樹ウィルでは知的、聴覚の障害を持つ方々を中心に14名が、中には月2回出勤の方もいながら、日々9時から17時まで勤務している。2021年のパラリンピックに後押しされる流れの中で、障害者雇用をすすめたい企業の視察を受け入れながら、机上の空論ではないSDGsや多様性を実践、牽引する存在として注目を集めている。
いとうせいこう発電所の電気がここに供給されることになったのは、そもそも薬樹本社および薬樹薬局がみんな電力の再エネユーザーであり、薬樹ウィルが再エネ100%プランに切り替える際、いとうせいこう発電所が無類の音楽好きな吉澤社長の目に止まったことに端を発する。
薬樹さんは、持続可能な社会を考えるほどに「薬を減らす薬局でないと生き残っていけない」未病・予防や在宅調剤に取り組んでこられた薬局として、高く評価されてきた。そこに、再エネは真剣に考えるほど「使わない」ことが大切で、持続可能性や脱炭素は突き詰めれば土壌や山の保全にいかざるをえないと、社名まで変えながら事業の幅を拡げてきた旧・みんな電力/現・UPDATERとの親和性は高い。
アーティスト電力は現在、せいこうさんを皮切りに、ロックスター佐藤タイジさんによる「太陽のタイジ発電所」、3ピースバンドACIDMANの大木伸夫さんによる「大木伸夫発電所」と、第3弾までが出そろっている。せいこうさんの電気は現在満員御礼だが、タイジさん、大木さんの電気は今からでも、あなたの会社、ご自宅で使うことができる。
世界でも類をみない、ミュージシャンの発電所でつくられた電気で暮らすユニークな生活体験を、ぜひ。
◆薬樹ウィル株式会社
◆アーティスト電力
・いとうせいこう発電所
https://minden.co.jp/personal/shareland/seikoito/
・太陽のタイジ発電所(シアターブルック 佐藤タイジ)
https://minden.co.jp/personal/shareland/taijisato/
・大木伸夫発電所(ACIDMAN)
https://minden.co.jp/personal/shareland/okinobuo/
・アーティスト電力X