みらいの森プロジェクト
意外と知らない?「スギ」が植樹されているまで
今回は、「みらいの森」にも植樹されているスギについてご紹介致します。
雪解けが早かった今年は、植物たちの目覚めも早いように感じました。
その分、みらいの森のスギもスクスクと成長しています。
ースギ林ー
私たちの住む栗駒は、麓に見えている木の多くがスギです。
平坦な場所はもちろん急斜面や、車では行けない山奥…そのほとんどが先人によって植えられたスギなのです。
それは戦後の拡大造林政策という政府の施策により広葉樹林を伐採し、その跡地に杉を植え、建築材料として活用しようとしたのが現在針葉樹林が多い理由です。
このように人工的に植え付けられた林を人工林と言います。
ー植えるー
先人によって植えられたスギを、現代人のタイミングで伐採していく。これは、今まで沢山の役割を果たしてきた森の機能が少なくなるということなのです。
水を貯める機能、山崩れを防ぐ機能、動植物たちの住処、風景としての機能、挙げればキリがありません。
それらの機能は元に戻す必要があり、「伐ったら植える」が大切です。
単純に「植える」と言っても、苗の入った20kg近い袋を何袋も人力で運び、足場の悪い斜面1ha当たり(サッカーコート1.4面分)に約2,500本を植えるのです。
とても過酷な作業です…
ーポット苗ー
スギの苗ですが、現在では「ポット苗」を使う方も多くなってきました。
ポット苗とは、植林の際の穴掘りが軽減され、時間を短縮できる苗の事です。
ホームセンターのお花売り場の様に、ポット内でスギの幼苗を育てます。
育てられた苗は専用の器具を使って植えます。
赤いT型の棒が専用の器具です。
ポット苗と専用器具を使うことによって、
慣れた人だと、1人で300本/日を植えることが可能です。
従来の苗と比べると約3倍の量を植えられる事になります。
それであっても植林は非常に大変な作業です。
ーみんなの森ー
令和6年度から「森林環境税」として1人年額1,000円が徴収されます。「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に充てられるものです。
この政策に伴って、これからは国民全員が「森林」と関わっていくことになります。
今以上に「森林」について考える機会が増えると思います。
森づくりに正解はありませんが、「みんなの森」のように、全国で手入れの行き届いた森林が増えることを期待しましょう。