みらいの森プロジェクト
初夏の森林整備活動
気温30度に迫る中、森林整備を行いました。
雨予報が出ていた栗駒の「みらいの森」ですが、活動前に雨が上がり、予定通りの整備活動ができました。が・・・、湿度が高く、改めて「森林整備は過酷だな」と実感した1日でした。
年を重ねる度に杉の苗が成長し、「刈らなければいけない下草」と「スギ苗」の判別ができるようになってきました。そのため、作業はいつもよりも早かったような気がします。
以前は・・・
写真の中からスギ苗を見つけるのは至難の業ですね・・・みなさんは何本見つけられましたか?
この中から、
「スギ苗だけを残して下草を刈る」訳ですから、慎重になるのは当たり前ですね。
ではなぜ、山のプロは下草を刈るのが早くて正確なのでしょうか。
実は、写真のようにスギ苗は規則正しく並んでいるのです。
1haに何本のスギを植えるのかによって苗の間隔は変わってきますが、「みらいの森」では長手方向に約2.0m、短手方向に約1.8mの間隔で植林してあります。
そのため、1本苗を見つけることができれば、おのずと他の苗も発見できます。
山のプロ達はどこにスギ苗があるのか把握しながら下草刈りを行っているので、間違って苗を切ってしまったりすることがほとんどないのです。
スギなどの人工林と、広葉樹の原生林では見た目もこんなに違います。
木が整列している方が人の手が加わった「人工林」、無造作に木が成長している方が一度も人の手が加わっていない「原生林」です。
成長を樹木達の力に全てを任せる原生林は、その土地や気候にあった樹種たちが長い年月をかけて生存競争をして大きく成長します。
そのため、大きな森になるまでに少なくとも200年以上はかかるとされています。
しかし、人の手によって植林された人工林では適切な森林整備活動を行えば30年程度で大きな森になります。
これには「下草刈り」「つる切り」「除伐」等の手入れが必要不可欠なのです。
もし、手入れを行わない「植えっぱなし」で放置してしまうと、植林した苗に日光が当たらず、成長が阻害され、せっかく植林した苗が枯れてしまいます。
そのため、一度でも人間が手を入れた森は、大きな森になるまで人間が成長の手助けをしなければならないのです。
植林した森を手入れし続け、本来の役割を果たせる豊かな森を未来へ繋げられるよう、この整備活動を続けていきます。
全国でも「みらいの森」のように手入れの行き届いた森が増えることを期待しましょう。