法人のお客さま
【UPDATER社内研修】中山間地域スタディーツアー@相模原!
社内研修で相模原市緑区の里山へ!
11月24日に、キャリア採用メンバーやバックオフィス業務のメンバー向けに、社内研修が行われました。
この研修は、みんな電力が電気を購入している「さがみこファーム」のブルーベリー農園のソーラーシェアリング見学に加え、発電所のある相模原市の中山間地域の社会課題を学ぶことも目的としています。
一日で、発電所と養蜂の見学、自然農園での収穫、鹿革アクセサリー製作、SMAK共創型地域振興協議会の取り組みを知るという、大変濃いプログラムでした。
写真)さがみこファームの山川さん・小出さんと研修参加メンバー。農園の名前は「さがみこベリーガーデン」
地域の方々の理解を得ながら発電所を作るって、こういうことなんだ!
まずは相模原市緑区青野原にある「さがみこベリーガーデン」へ。ここは、株式会社さがみこファームが運営する、ブルーベリー農園とソーラーシェアリングの発電所です。
代表の山川さんは、「この土地はもともと耕作放棄地で、背丈を超す草がはえているような状態でした。地主の方を説得して、まずは一区画ソーラーシェアリングの発電所を建設しました。荒れた畑がきれいに整備されていく様子を見て、隣り合う畑の地主さんたちも理解を示してくださるようになり、今の形になりました」と説明してくださいました。
写真)さがみこファーム代表の山川さん
またこの発電所は、非常時に地域の自治会に電気を供給する役割も担っています。この取り組みが地元の新聞に取り上げられ、地域の方々とより密接に関わる機会となったそうです。
実はさがみこベリーガーデンには、地主の方の合意を得た区画がまだあり、もう少し発電所を建設することもできるそうです。ただ、訪れた人たちの「発電所の向こう側に見える里山の景色が素晴らしいですね」という声を受けて、保留中ということでした。
発電所を建設し売電収入を得て終わりではなく、ブルーベリーや農作物と共に、来訪者や地域の方々との関係がどのように育まれていくのか、とても楽しみに感じました。
写真)発電所と養蜂の見学後に山川さんから詳しい説明を受ける
初心者でも取り組みやすい方法で営農する意味
さがみこベリーガーデンは、相模原の中山間地に位置し、発電所のむこうに美しい山並みを望むことができます。しかしそれは「人間が住むエリアと野生動物が住む山の境界線」でもあるということです。
写真)ちょうど山の紅葉が美しい時期
自然豊かで野生動物たちの食べ物がたくさんありそうですが、それでもブルーベリーをはじめ農作物が狙われるそうで、常に人間と野生動物たちとのせめぎあいが行われています。
写真)写真奥の茂みから、鹿や猪といった野生動物がやってくる
いま日本は、農業従事者の高齢化が進み、平均年齢は66.8歳。年を追うごとに耕作放棄地が増えています。里山に人の手が入らないエリアが増えることで、人々の暮らしが野生動物に押されてきていることが現状なのです。
写真)通路の斜面にあるボコボコとした穴は鹿の足あと
こうした中で、従来型の農法と比べて農業初心者でも簡単に耕作できる方法で農業に取りくむことは、耕作放棄地を減らし、里山の人と野生動物の均衡を保つためにも、ひと役買うことになります。
さがみこベリーガーデンでは、豊富な地下水を活用した液肥の散布と、土を使わないポット栽培に、ソーラーシェアリングによる程よい遮光率を組み合わせることで、酷暑だった2023年の夏も無事にブルーベリーを収穫することが出来ました。
写真)ポットに入っているのは土ではなくスポンジのような素材
写真)この管を通して、お水や液体の肥料が散布される
研修時は秋のためブルーベリーは紅葉の時期でしたが、次回は夏の最盛期にブルーベリーを食べに行きたいです。
養蜂、自然農園、鹿、地域活性…学びがたくさん!
この日の研修は、ソーラーシェアリングとブルーベリー農園の見学以外にも、コンテンツが盛りだくさん。厳選した写真でご紹介します。
・養蜂
さがみこベリーガーデンでは、西洋ミツバチによるブルーベリーの受粉をめざして、養蜂に取りくまれています。農園のまわりには季節の花々が咲き乱れ、ハチミツの味や香りはその時々で違います。
・自然農園 abio farmの収穫体験(遠藤さん)
都内でレストランやケータリングを行うabio farmの自社農園で、お土産用のお野菜を収穫させていただきました。こちらの自然農園は、自然の循環を大切にした農法で、農薬や化学肥料を使わず、畑に入れるのは米ぬかのみ。米ぬかは、お野菜の残渣を分解する微生物を増やす働きをするそうです。
abio farm遠藤さんの「枯れてきた葉はお迎えが来ているので、持って帰らずに土に還しましょう。」という言葉が印象的でした。
・鹿革アクセサリー製作体験(とこはむさん)
とこさんは、相模原の中山間地域で農業に取り組む生産者です。そこでどうしても向き合わなければいけない課題が、野生動物による農作物の被害。やむを得ない対処方法として、狩猟に取りくまれています。
鹿や猪の命を奪うときにはやはり胸が痛むそうで、せっかく頂いた命はお肉はもちろん、革まで余すところなく大事に活用したいという思いで、アクセサリー作りに取りくまれています。私たちは、藍染された鹿革に切れ目を入れて「マジック編み」という方法で編み、キーホルダーを製作しました。
・SMAK共創型地域振興協議会(八木さん)
相模原市緑区(Sagamihara Midori)、愛川町(Aikawa)、清川村(Kiyokawa)の3地域の頭文字をとってSMAK。中山間地域の特色を活かした、個性的で魅力ある地域づくりのために、代表の八木さんをはじめ、地元メンバーが集まって活動されています。
都心からアクセスの良い相模原市緑区ですが、観光名所やお土産がないために、素通りされることがほとんどらしいです。この素晴らしい里山の景色を多くの方に知ってほしいですが、そのきっかけになるコンテンツは必要なのかも知れません。
電気をつくる人の顔だけではなく、地域に住む人々の顔まで見える電力へ
今回の研修では、電気をつくる人の顔はもちろん、発電所のある地域の方々の顔や課題も知ることができるよい機会となりました。電気だけではなく、様々な学びを得ることができる機会として、近いうちにみんな電力をご利用のお客さまを「発電所ツアー」でお連れしたいと思います。
文章:UPDATER編集部