『僕らが電気を選ぶ理由』 大木伸夫(ACIDMAN) 中津川ソーラー武道館トークセッション 後編 / BLOG / みんな電力 世界の電力に、選べる自由と楽しさを。

BLOGブログ

アーティスト電力

『僕らが電気を選ぶ理由』 大木伸夫(ACIDMAN) 中津川ソーラー武道館トークセッション 後編

大木伸夫(ACIDMAN)×大石英司(みんな電力/UPDATER)×MCジョー横溝

アーティスト電力第3弾の看板を背負っていただいている大木伸夫(ACIDMAN)さんとみんな電力代表・大石英司、そして古今東西八面六臂の活躍を続けるジョー横溝さんのトークセッションが中津川ソーラー武道館、それこそACIDMANの熱いステージが繰り広げられた直後に開催。

 

ジョーさん曰く、「一つ一つのアクションは小さくとも、みんなの実践をかき集め、一気にコップから水が溢れ出る」未来に向けて。

 

用意した椅子の数を大きく超えるファンが集結した現場には、大木さん自らが発電するようになるまでの経緯や想い、根底の生きる姿勢が詰まりつつ、決して意識高くない(*前編参照)温かい笑いが溢れました。

 

 

12年の変化

ジョー 大木さん。震災からもう12年、この間の変化は大木さんの中でどんな風に感じていますか?

 

大木 街がどんどん活性化していって「やっぱり人間って、すごいな」と思ったのがこの10年ですね。

 

偉そうなこと言えないけど、毎年福島でワンマンライブやって、売り上げを全額、福島の自治体に寄付していて。端から見たらきれいごとだと思われることでも、自分が落ち着くのでやっていて。最初は、「人間ってやっぱ最悪だな」「この地球上に生まれちゃいけなかったのかな」っていう想いまみれでした。線量計は鳴りやまないし、それでも政策は変わらないし「何なんだろう」と思っていたけど、時が経てば経つほど美しい部分が見えてくる。

 

これは僕の思想だけど、だからと言って「政府が悪い」「国が悪い」とかは超ナンセンスで、そういう考えがさらに新たな敵を生む、新たな異端を生む。何でも、良い面もあるし、悪い面もある。悪い面は誰もが持っているし、オレでも持っている。

 

すべてを反対、アンチとかじゃなくて、いい方をちゃんと見よう。というか、いい方を見てみたら、その悪いと思っていた人の裏側はめちゃくちゃ美しかったりして、その美しさを感じる12年でした。

 

ジョー なるほど。それ、わかるなぁ。個人的に僕は、正直、毎回少しは被ばくするんですが、福島第一原発の構内の取材を震災5年後から毎年構内に入って、8回くらいやっています。

 

行くと頭が下がる程、構内で働いている人たち、凄く一生懸命作業していて。取材で来ている僕らにも「ご苦労さまです!」と言ってくれて、むしろこっちが「ご苦労さまです!」て感じなんですけど。

 大木さんが言ったみたいに、最初のうちは対立みたいな感じだったけど、今はそうじゃない空気も生まれている。

 

大木 なるべくみんなが想像力を持って、多様な、柔軟な考えを持って、他人を受け入れる。そして、その人のことを理解する。だけど、わからないことは「わかんない」ってはっきり言う。わかんないのに「わかります」が、一番嫌ですね。わからないなら「わからない!」って、はっきり言う!

 

再生可能エネルギーのこれから

ジョー ぶっちゃけ、「再生可能エネルギーが大変」と聞くじゃないですか。問題点なども含めて今後の予測というのはどうなんですか?

 

大石 一番の有望株は洋上風力ですね。まだまったく建っていない状態ですが、いわゆる海の上の風力でこれから伸びていく。今後20年を考えると、洋上風力がしっかり建てば、日本で再生可能エネルギー100%は電力量的には十分賄えます。

 

大木 太陽のエネルギーって凄まじいじゃないですか。今はソーラーパネルの電気効率化が20%だけど、80%までいったらとんでもないエネルギーになるんじゃないかと思っていて、そういう技術開発はされているんですか?

 

大石 どちらかというと、「発電効率を上げる」というよりも、それを「柔らかくする。どこでも貼れるようにする」という技術革新が、ものすごく進んでます。

 

もう実証レベルではけっこうあるし、あとは発電効率が一気に上がってくれれば。

 

ジョー 皆さん、太陽光パネルって四角いデカいやつをイメージすると思うんですけど、今ってもう紙みたいになっていて、貼れるんですよ。

 

あとね、これはネガティブな質問になっちゃうかもしれないんですけど、さっきもパネルそのものが自然破壊なんて話もありました。

 

大木 そう!だから僕、発電所をはじめる時に「そういう問題がないか徹底的に調べてください」ってお願いしました。「ソーラーパネルが再利用できない」とか、「カドミウムとか害のある物質を使っていたら、やりたくないです」と。「何十年後かに古くなって、捨てられてゴミになるのだったらやめてくれ」って言ったら、全部リサイクルできるという話を伺ったので「じゃあ、やりましょう!」って。

 

ジョー  そこはもう、基本的にはクリアできたのね。

 

大石 99%リサイクルできるんでね。

 

大木 そう、99%。そこはすぐ対応していただいて、びっくりしました。1週間ぐらいで対応いただけて「じゃあ、僕は信じます」って言って。もしこれで嘘ついていたら、けちょんけちょん!ケッチョンケッチョン!

 

ジョー じゃあ、ここから先は、再生可能エネルギーとしては、風力も並行で僕らも使用していきながらってことなんですかね?

 

大石 再生可能エネルギーの欠点は発電が不安定ということです。太陽が照ってる時間が安定しなかったり、風が吹いているかとか、それを安定させるため、いかに蓄電網を整備していくのかということがあって。

 

でもやっぱり、皆さんが再生可能エネルギーを使わないとそこに需要がないと、「それを整備しよう」ってことに世の中は動かないので。だからこそ、一人一人が替えるということが、すごく大きなことですね。

 

ジョー 皆さんが使ってくれることによって、技術革新がさらに進むってことですね?

 

大木 そうか、そうか。そして今も、蓄電池はリチウムですよね?

 

大石 メインはリチウムです。

 

大木 例えばリチウムだってね、昔はただのレアメタルだったのに、急に蓄電もできる、そうして急にニーズが増えているじゃないですか。ある日きっと、何でもない物質がすごい発電をする可能性もある。そういう科学技術の最先端を知ることが好きで、リチウムは好きで。

 

昔MV撮影でボリビアに行った時、バスで村まで行ったら、子どもたちが石を投げてきて。小ちゃなデモみたいになって、「何なんだこれは」って聞いたら、ウユニ塩湖の下にリチウムが埋まってて、それを外国の人たちが採りに来ると。だから「オレたちの村を壊すな」って。

 

でもこっちは、「オレたちは違う。オレたちは撮影しに来てるんだ」と。その時にリチウムに興味が湧いて「なるほど」って。

 

ただ僕らは「そっちには美味しい水がある」ってなると、みんなが寄ってたかって、瓶に水を注いでいく。でも、その周りには生活があるってことをちゃんと意識しないといけないから、なるべくそこら辺にある物質で「電気の概念が変わればいいな」と思っている。それも、素粒子レベルで輸送できるみたいな。「そういう時代がいつか来るな」と思っていて。だって電力のもとは素粒子だから。

 

もとはここにもあるんだよ。この粒子を僕らが利用できないか。そうすれば、エネルギー問題が一気に解決するということなんですよね。

 

ジョー この辺、皆さんついてこれていますか?ACIDMANファンはたぶん、大丈夫ですよね?(笑)

ところで、この申込みはどうしたらいいのでしょうか?

 

ちょっとの努力で繋がる未来

大石 毎年みんな電力ブースを出しているんですけど、今年はそこで、大木伸夫発電所のステッカーを配っていて。

 

大木 え、配ってる!みんな、ある?

 

(観客が見せる)

 

けっこう、あるね。オレも今自分の電気に切り替えれば、オレは「オレの電気で自家発電」ってことになるんじゃない?(笑)

 

大石 そうですね!

 

名称は「大木伸夫発電所」で、ステッカーの裏にQRコードがあるので、それ読み取って入っていただいて切り替えると、大木伸夫発電所の電気が皆さんの家の電気になると。それでテレビを見たり、ドライヤーを使ったり、もちろん音楽を聴いていただいたりするってことですね。

 

ジョー 「電気を替える」ってなると、電力会社の人が来てどっか開けるとか、僕も最初思ったんですよ。

 

大木 思う思う!

 

ジョー 「朝起きた時だったら、やだなぁ」って。勝手にいろんなこと考えてたんですけど、全然ないんですよ。

 

大木 何もなかった。ただ、Web上の作業で終わりました。

 

ジョー ピッピッピッて終わるんで、それでストレスをフリーにするもよし、「地球のため」と思うも良し、自分のためと思うも良し。その中で、アクションを起こしていただけたらと思うところですから。

 

オレ今太陽のタイジ発電所なんで、「こっちに替えようかな」って思ってるもん(笑)

 

大木 え、こっち?(笑)。どうぞどうぞ、「オレもそうしようかな~」って思ってるもん(笑)でも、オレも今「替えようかな」って思ったけどやっぱ「めんどくせーな」と思っちゃった(笑)

 

大石 面倒臭さがね、、。

 

大木 パッとやれるんですけどね、みんな「面倒臭い」って思うんですよね。でも一瞬、ちょっとの努力なんです。呑んでる時に「ちょっとやってみようか」って、会話が生まれればやるんですよね。5分で終わるんで。

 

ジョー そうそう、本当に5分で終わるんで騙されたと思って一回HPに行ってみてください。すると、さっき大木さんが話してたことが頭の中にバーッと「やってもいいかな」って思う気がして、ここで話を聞いているだけだと何も変わりはしないんです。だから今、興味を持っていただけた方はそうしてもらえたらと思うんですけど。

 

お2人からのメッセージ

ジョー 最後、それぞれ一言ずつメッセージをいただいてトークセッションは終わりたいと思うのですが、大石社長からお願いしてもいいですか。

 

大石 何年かぶりにお話させていただいて、皆さんが普段使っているテレビやインターネットの配信なんかも、大木さんの電気や再生可能エネルギーを使った方が罪悪感ないし、「ちょっと気候変動へ、実際アクションを起こしたんだよね」って言えるじゃないですか。ですのでぜひ、ソーラー武道館に来ている人は、せめてそういう想いでやってもらいたい。

 

今日実は、大木伸夫発電所から充電してきた蓄電池を持ってきているので、それで一回携帯を充電してみてください。

 

大木 急に恥ずかしいっすね。

 

大石 今日のスマホの充電がなくなるまでは、大木伸夫発電所の電気なんで、一体になってもらって(笑)

 

ジョー 今日は(スマホを)抱きしめて帰ってください(笑)。まだブースでやってるので、寄ってみてください。

 

では、最後の締めを大木さんお願いします!

 

大木 いろんな事を考えながら、人生を楽しく豊かにということに尽きますので、楽しく生きるためには、こういう風なアクションが大事だし、でもしなくてもいいとも思うし、とにかく「一瞬で終わる命を楽しんでいきましょう」ということだけです。

 

ジョー ちなみに今後の予定は?

 

大木 今後の予定は、ワンマンがあったり、いろいろあります。その辺はHPをチェック!ということで!

 

ジョー じゃあ、トークショーはこの辺で終わりたいと思います(笑)。

 

改めてましてみんでんトークセッション、ACIDMAN・大木伸夫さんとみんな電力(UPDATER)・大石社長でした。

 

 

―――前編はこちら―――

■アーティスト電力 大木伸夫発電所
https://minden.co.jp/personal/shareland/okinobuo/

■ACIDMAN Vo,G 大木伸夫
http://acidman.jp/

■ジョー横溝
https://twitter.com/JoeYokomizo_Ch

■中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023
http://solarbudokan.com/2023/

■主催 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会 / みんでんトークセッション

■写真提供 奥村星児

■協力 ワイズコネクション

 

BLOG一覧を見る

CATEGORY

ARCHIVES