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環境教育プロジェクト

保育園もパワーシフト!ロハスキッズ・センター クローバーさまインタビュー

子どもにとって「社会」である保育園という場所のアクションが、子どもたちの未来に繋がります

ロハスキッズ・センター クローバー 園長 中田 綾(なかた あや)様

 

 

東京都世田谷区の認可外保育園である「ロハスキッズ・センター クローバー」。子どもたちの幸せを一番に考えることを大切にする保育園です。今年9月から、みんな電力を通じて使用電力を再生可能エネルギー100%にしました。その理由や思いを園長の中田さんにお伺いしました。

 

―園について教えてください

 2004年に「ロハスキッズ・センター クローバー」を開園し、最初は3人の園児という本当に少ない人数でスタートしました。多摩川沿いという地域に根付いた保育をスタッフとみんなで作り上げ、2021年9月1日でちょうど18周年を迎えました。今は人数も増えましたが、「子どもたちが、そして家族のみんなが通える場所」というあたたかな環境を目指して運営をしています。

 どのような環境で大事な乳幼児期を過ごすことが必要なのかを考える中で、大人の事情に関係なく、子どもたちの幸せを一番に考えて丁寧に園づくりをしたいと思い、それがかなう場所として認可外保育園にしたという背景があります。

 

  

―「子どもたちの幸せを一番に」ということを考える中で、再生可能エネルギーへの切り替えも検討されたのでしょうか?

 これまで大切にしてきたことは当然保育として続けているのですが、この10年、20年で状況も変わり、私たち大人もここまでの地球環境の変化が初めてで、大人も分からないことがたくさんあると思います。それを子どもたちに「知識として提供する」のではなく、私たち大人も「知りたい・学びたい」という気持ちを持って取り組んでいます。

 園のプログラムにも環境教育を取り入れていますが、最初は「春夏秋冬ってどんな季節だろう」といった内容から、最近はごみ問題やごみの分別も子どもたちと取り組むことにしています。そのような中、みんな電力について知る機会があったので、「私たちも学びたい」という気持ちから再生可能エネルギーへの切り替えに至りました。

 

―今後、再エネの話も環境教育に組み込む予定でしょうか?

 当園では知るきっかけや経験するきっかけ作りを大切にしていて、なるべく時間をかけて日々の流れに組み込んでいきたいと思っています。環境教育もまだ手探りですが、子どもたちと学びながら、様々な情報や人との繋がりを通して電力についても知っていけたら良いと思っています。

 私たちが幼い頃はそこまで話題にならなかった気候変動が今の子どもたちにとって身近な問題なので、だからこそ私たちが意識して保育の中に落とし込むということは絶対的に必要だと思います。これは今の子どもたちの課題ではなく私たち大人の取り組むべき問題でもあるため、保育にも環境について発信していくことは必要だと思います。空がきれいだから守ること、多摩川にごみが落ちていたら拾うこと、自分達の居場所を大切にするということなどを私たちは意識しなければならないと思います。

 

―園のスタッフに、切り替えについて伝える予定はありますか?

 園のスタッフにはまだ内緒にしているんです。というのも、最初に伝えたときのインパクトの共有を大事にしたくて。感情は大人も子どもも同じなので、きっと先生たちの「えーっ!」と驚く反応を見て、より強く感じることができると思います。私はきっかけを作る人であって、感動を届けるのは、子どもと直接関わっている担任や職員です。それが一番子どもたちに伝わるので、大事にしたいと思っています。先生たちがどう感じたか意見を聞きたいですし、子どもたちの反応も見たいです。

 

―保護者にお話される予定はありますか?

 保護者の方にはいつもクローバーの活動を映像や写真でお渡ししているので、それらを通して知って頂けると思います。親御さんも24時間ずっと子どもと一緒に過ごしたいんですよね。でも子どもたちには社会との接点が必要です。社会を通して育まれることはたくさんあるので。見えないところで先生たちや保育園が積み重ねているものが、私たちに子どもを託してくれている保護者の方々との信頼関係に繋がるので、なるべくここでの活動や子どもたちの心の変化が共有できるようにしたいと思っています。

 

―環境問題は意外と大人も知らないので、逆に子どもたちから伝わってくることもありそうですね

 絶対あると思いますね。動かされますよね。しっかりしなきゃ、と。子どもたちは純粋に分からないことを聞いてきたり、「おかしいよね」「すごく良いね」ということも答えてくれるので教わることは多いですね。大人が子ども自身の考える時間を奪ってはいけないと思うので、その子たちが何か感じることに価値があると思うんです。成長してから話すのではなく、幼い頃からそういった話題を聞いて話せる環境が必要だと思います。

 

―電力の切り替えを行うにあたって、何か心配ごとはありましたか?

 全くないです。心配より、子どもたちにどう伝えようかという、楽しみの方が強かったですね。どうプログラム化していこうかっていう(笑)。変える機会を逃さず、そういった新しい変化を子どもたちと一緒に楽しみたいなと思っていたので、心配は全くありませんでした。

 

―気候変動の問題はひとつの園だけで取り組んでも難しい現実もありますが、他の園の方々に伝えたいことはありますか?

 今の子どもたちの20年後ってまだまだ成人直後ですよね。これから本当にたくさんの時間があります。このタイミングで一つ一つが少しずつ変わるためのきっかけを大人が作るだけで、ちゃんと子どもたちの未来に繋がるような気がしています。家庭だけでなく、まずは社会である私たち保育園が意識を変えることが、大きな影響力に繋がるんじゃないかなと考えています。

 

―大人が変えていく姿勢を見せることから子どもたちが希望を持てることもありますよね

 一生懸命さを見せるのは大切ですよね。あと楽しむこと。それが子どもたちの「楽しい」につながるから、まず私たち大人が毎日どう生きていくかが大事なんじゃないかなと思います。

 

ロハスキッズ・センター クローバー / 株式会社Kleur

https://lohaskidscenter-clover.com/

 

写真提供:ロハスキッズ・センター クローバー

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